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Alice Sara Ott / Echoes Of Life (2021)

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澄んでいて、それでいて重く深い音。
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残響を伴い、幽玄に響く、"In The Beginning Was"(Francesco Tristano)。
切れ目なく、ChopinのPreludesへ続く。
"ラ"の強打で始まる"Musica ricercata 1" (Ligeti)。
そして、消え入るような弱音のエピローグ"Lullaby To Eternity"(Sara Ott)。

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最初、ヘッドホンで聴き始めたのですが、広がりのある音で遠くのスピーカーから鳴っているように聞こえて、思わずヘッドホンを外してしまいました。すごく音がいいです。圧倒されます。
で、音のダイナミックレンジがすごくあるので、リゲティで必ずびっくりします。
ショパンの曲がときどき、その重厚な低音域の響きに、ムソルグスキーのように聴こえてびっくりしました。ショパンってこんな曲だったかと。
輸入盤だったのでライナーノーツは英語ですが、アリス自身がすべて書いています。3歳でピアノを弾き始めたこと、3年前に多発性硬化症を患ったことにも触れています。"High Hopes by Pink Floyd is a song I loved in my teenage years"という一文もあります。

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現代曲7曲の間にショパンのプレリュード24曲を挟み込むような曲構成になっています。私がショパンのプレリュードに詳しくないというのもありますが、現代曲との間にまったく違和感なく、ひとつの作品として収まっています。
1曲目は、アリスの友人でもあり一緒にアルバムも出していた、Francesco Tristanoの作曲(この曲がすごくいい!)。
最後は彼女自身の名義ですが、モーツァルトのレクイエムK626から、Lacrimosaの断片、とあります。

本当に今までとこれからを総括して全身全霊傾けて作ったアルバムなんだと思います。
入魂の最高傑作、素晴らしいアルバムです。

by harutokidoki | 2021-08-11 11:51 | 音楽(聴く) | Comments(0)

思いついたときに書く他愛のない日常と音楽のこと


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